自立の遅れ、利権集団、そして国

Mises: Delayed adulthood, rent-seeking and the state

Creative Commons Licenseを継承して訳します。意訳度80%。

自立の遅れ、利権集団、そして国
なぜコンピュータオタクは自由を好むのか?

子供たちがそろそろ将来を決断する年齢になってきた。長女は理学療法士を考えているという。先行き有望な感じだし、彼女もやる気充分だ。少なくとも最初のうち、私は長女を応援しようとしていた。

私は数学関係で学位を取り、コンピュータ関係の職場で仲間と共に働いてきたわけだが、理学療法士専門学校は卒業まで8年間必要という事実を知って衝撃を受けた。8年間...

つまり娘はプロとして働けるようになる時には既に26歳になっている、ということだ。学費ローンの負債を抱えた上で、平均年収74,480ドルという理学療法士を目指すことに私は意義を見出せなくなった。なんという業界だ。

私が働いているコンピュータ業界は、個人の能力が重視される。学歴は二の次だ。これこそ、コンピュータ業界が常に革新的で、進化を続ける原動力であろう。窮屈な官僚主義も利権主義のゴマすり連中も、コンピュータ業界の創造性や破壊的想像力を浸食するには至っていない。今のところは、ね。

コンピュータ業界の人が独立主義を好むのに対し、他の分野の人達は集団主義を好むというのは興味深い。私たち(コンピュータ業界)は自由な労働力がもたらす利点を理解しているし、そのおかげで繁栄してきたわけだ。

もし娘が理学療法士になる道を選んだら、彼女は仲間と共に自分の利益を守るよう国にたのみこむようになるのではないかと心配している。すなわち、新たに理学療法士になるために長い年月と資金がかかるように働きかけて、自分の患者が新参者に奪われないようにするわけだ。働き始めるのが26歳で、就学ローン残高が10万ドル、そして給与は7万ドルかそこらで、他にどういう選択肢があるというのだ?

私は創造と革新を強く望む。相対的に自由なコンピュータ業界は様々な画期的製品を産み出してきた。私は自由主義から果実が生まれる状態を強く望む。だがあらゆる業界が政府による介入を受け入れるようになってくると、市場は規制で窒息状態になり、認可主義は利権集団の成長しか促さず、国は衰えていくのである。