大英帝国による銀行救済

Minyanville: UK Embraces Moral Hazard(大英帝国モラルハザードを歓迎する)

  • 英国政府がRBSなどの銀行に公的資金を資本注入することが決定した。
  • 良いニュース?
  • 長期的にはそうではないかもしれない。
  • 英国政府は「£50億の優先株を購入し」「£100億の普通株を主幹事として引受け」る。
  • 政府としては、引受た普通株をできるだけ高く売る必要がある。主幹事は引受価格より高く株を売り抜けないと、儲からない。つまり、公的資金の無駄遣いにつながる。
  • 原文の例えを使うと「自身はファーストクラスに乗りながら、エコノミー席をできるだけ高く売りつける」ようなもの。

政府救済は市場原理が働かない

そもそも、なぜ政府が「主幹事」を引き受けるのか?答は簡単。民間が引き受けたくないから。なぜ民間は引き受けたくないのか?これも簡単。リスクが高すぎるから。そういう株を、英国政府は国民に押し付けようとしているわけだし、他の欧州各国も追随する模様。

Minyanvill元記事は次に引用する文で締めている。

While we may have seen a bottom last week, the bottom will come when governments buy bank common stock - not trying to turn a quick profit, but expecting to lose money.

先週末で株式市場は当面の底を打ったかもしれないが、本当の底は政府が銀行の普通株を放出価格より安く買い取る(損失を計上する)時にやってくるだろう。

Doped Market

  • 今日のNY市場は上げた。
    • $INDU...+936.42(+11.08%)
    • $NDX....+159.74(+12.58%)
    • $RUT....+48.41(+9.27%)
    • $SPX....+104.13(+11.58%)
    • $BKX....+2.7(+5.11%)
    • $RUF....+0.46(+5.05%)
  • $BKX(銀行)と$RUF(建築)はそれほど伸びてないことに注意。
続きを読む

The Nokia Test

The Nokia Testを手抜き邦訳。

携帯電話機メーカーのNokiaではScrumを使っているよ。Nokiaでは、開発チームがちゃんとScrumを使っているのか、それとも「カウボーイAgile」と呼ばれる代物を使っているのか、はたまた「Agilefall*1」を使っているのか確認する方法「Nokia Test」を開発したんだ。

Nokia Testは二行程あるよ。

まずは、反復型開発をしているかどうかを確認しよう。

  • 各反復周期は4週間以内に設定されているか?
  • 各反復周期の最終段階で、実装したフィーチャをテストし、動作確認しているか?
  • 各反復周期の始めに仕様確定をしているか?

カンファレンスに参加している「自称」Scrumチームの人達に上記質問をしてみると、意外と「いいえ」と答えてくる。カンファレンスで同席した人の中の誰も「はい」と答えないことすらあるね。

次に、Scrumしているかどうかを確認しよう。(これはNokia風に味付けしてあるよ)

  • 誰が「製品所有者(product owner)」かを知ってる?
  • 事業価値で優先順位付けした「製品作業残一覧(product backlog)」を作ってる?
  • 「製品作業残一覧」の各項目の作業見積もり作成を、チーム全員でやってる?
  • 「残作業数一覧グラフ(burndown charts)」を作成し、チームの作業回転率(velocity)を押さえてる?
  • 「プロジェクトマネージャ」(あるいはその同類)がチーム作業を邪魔してないよね?

これらの質問は、カウボーイAgile(あるいはAgilefall)を解決するにも役立つと思うんだな。

まず明確なのは、この「Nokia Test」全項目を通過しないと、そのチームは「ちゃんとScrumしてます」とはいえない、ということだな。もちろんテストに通らなくても、「Scrumに挑戦しました」とは言えるかもしれない。でも、実際にScrumしたことにはならないんだな。

Nokia Testは必須条件だよ。プロとしてAgile開発をするのなら、最低でもこれらは守らなければならない。

組織によってはカウボーイAgileやAgilefallを選択したり、あえてAgileで失敗するような道を選ぶこともあろう。自分が今まで働いていた組織でも、そういうことはあった。なので、Nokia Testを実行に移そうとすると、組織的な反発を受けることは覚悟しておくほうが良いかもしれない。

Nokia Testは最低条件でしかない。AgileするにしてもScrumするにしても、Nokia Testが網羅してない重要な要素はまだまだあるはずだ。Nokia Testは最も重要な部分ということだろうか? たぶん、Nokia Testは「最もありがちな失敗」を回避してAgile/Scrumを実行するための「最低限の原則」を並べたものなんだな。たぶん、もっと良い確認方法はあるだろう。でも、今はまずNokia Testを通るようにしようよ。

Nokia Testはもっと細かく記述されるべきだろうか? その必要はないだろうね。 大事なことは多くの人が簡単に理解できるようにすることだ。Agileでは、柔軟であることも重要だ。長ったらしい確認項目を並べると、その柔軟性が失われてしまう。

できるだけカタカナ語を避けたい

上記訳でもカタカナ記述は残ってしまったけど、「プロダクトオーナー」とか「プロダクトバックログ」とか、そのまんまカタカナにした用語を遣い続けるのは、日本におけるAgile普及の足かせになると思うんだよね... ここらで、「良い日本語訳」を考えるべきじゃなかろうか。

Scrum=とっくみあい、とか(これはネタ

*1:Agileの皮をかぶったウォーターフォール

資本注入前にやることがあるでしょ

寝る前にメモ:
http://www.clusterstock.com/2008/10/still-one-part-missing-from-smart-new-bailout-plan-writedowns

f the government does not force banks to write down their assets before injecting new equity, we won't have fixed the problem. Instead, the US taxpayer will just be the lastest sucker to fall for the banks' assertions that all the bad news is out of the way. Private investors, meanwhile, will stay on the sidelines and watch the taxpayer get sandbagged. Lastly, and most importantly (for the economy), banks won't start lending again. Why not? Because they'll want to keep all that new capital as a cushion for the next wave of writedowns.

Japanese banks played this game for a decade...and we know where it got them (NIKKEI Index is currently one-fifth of the peak value 18 years ago.) In Sweden, meanwhile, the government insisted on writedowns, and the economy recovered almost immediately.

2001年9月を思い出す

S&P500 2001年9月底

  • 2001年5月に高値1315をつけたS&P500は、夏にかけてずるずると下げていた。
  • 9月11日のテロで暴落。
  • ブッシュ政権の各種対策で9月24日に945底値をつけ、反発開始。

二番底へ

  • 戻り高値は2002年1月の1177および2002年3月の1173。いわゆるDouble Topというやつ。
  • 戻し幅は63%。
  • そこから2002年7月の776まで下げた。

当時との比較

  • 金融機関は今よりもはるかに健全だった。
  • Fedの利下げ余地は充分にあった。
    • というか、株価対策でFF金利を1%に下げて発生したのが住宅バブルなのだった。
  • 米国の借金も、今よりは少なかった。
  • 今回、米国の負債は総額10兆ドルを越えようとしている。
  • 戻り相場はあるだろうけど、二番底、三番底、、、と続くのが怖い。