自治体崩壊

祇園祭見物のため京都まで出かける前に、淀屋橋のBook 1stで「自治体崩壊-経営感覚なき組織の行く末とは」を購入。三条までの往復で充分読める内容。

以前読んだ大阪破綻では、大阪市という巨大自治体の瀕死(というか、民間ならとっくに倒産)財政に焦点を当てていたが、全国どこの自治体でも程度の差はあれ同じ状況ということを問いていた。

この自治体崩壊では、全国的に見ても「平均的な」都市、静岡県富士宮市の現実を解説しながら、どうすれば財政破綻を回避できるのか、という提案が描かれている。

「大阪破産」はフリージャーナリストの視点から書かれたものだったが、この「自治体崩壊」は静岡県富士宮市の議員さんによるもの。なので、内容はかなり生々しく、かつ理解しやすい。そして、新聞などのメディアによる地方財政問題への批判がいかに的外れなのかも、よくわかる。

著者による財政破綻の解決案は非常に簡単。自治体サービスレベルを低下させること。これが基本。

つまりは福祉の削減だ。それを住民が受け入れられるかどうか。まあ、無理だろうね(笑) 実際に富士宮の予算を3割削れるかどうかも検証している。自治体の自助努力でいけるのは2割削減が限界。あとはどうしても国との調整が必要になるそうな。

でも、怖いもの見たさ的感覚で、自治体破綻とその後処理がどうなっているかを見てみたいのも事実。北海道の夕張がどうやら飛んだらしいけど、これはまだまだ氷山の一角なわけでしょ。飛んじゃう自治体がどんどん出てきたら、国はどう いう反応を示すのかなぁ。