この道はいつか来た道

FT: Top banks call for relaxed writedown rules

  • 主要国の金融機関が、時価評価会計を緩和するように求めているらしい
  • おいおい。日本のバブル崩壊後に時価評価を厳しく適用するように求めてきたのは誰だっけ?
  • しかも提案内容がひどい

Under the plan, which has been obtained by the Financial Times, banks that decided to keep assets on their balance sheet would also be freed from the requirement to hold them to maturity and would be able to sell them after two years.

  • 長期間で回収する塩漬け資産として計上する考え方は許されるかもしれないが、「二年間保有後は、売却可能」というのは虫がよすぎる。二年間は長期とはいえない。
  • 二年後、市場が回復していたら売ればよいと経営陣が考えているのが見え見え。
  • この動きは、日本がバブル崩壊で負った傷を深めた時と同じ。損失を隠して時間を稼ぐ間にさらに市場が低迷すれば、傷はさらに深くなる。

“Often dramatic writedowns of sound investments required under the current implementation of fair-value accounting adversely affect market sentiment, in turn leading to further writedowns...in a downward spiral that may lead to large-scale fire sales of assets,” the IIF’s paper argues.

  • 時価評価下落による損失計上が株価下落を呼び、それが市場に悲観的観測を与えてさらに資産価値が下がる。だから時価評価会計は悪だ、と銀行団体は主張しているらしい。
  • でも、時価評価上昇による利益計上が株価上昇を呼び、それが市場に楽観的観測を与えてさらに資産価値が上昇したときのことは忘れているのね。
  • 虫がよすぎる連中だ。まあ、金融機関の経営者なんてその程度のもんなのかもね。

本件に関して、Mr. Mortgageが辛辣な指摘をしている

Great idea! When this is instituted, they should all ‘historically value’ our homes at 2005 levels and let’s us all do cash-out refinances!
資産を取得時価格で評価できるのであれば、2005年頃に住宅を購入した人達の資産価値も上昇するから、借換えが楽になる。

もちろん、銀行がそんな融資をするわけがない。いかに今回の提案がばかげているかがわかるでしょ。それだけ銀行は追い込まれているということでもある。