TeslaとToyota提携話その後

TeslaがIPO登録届出書(S1)を更新した模様。VentureBeatが要点をまとめてくれた。感謝。

NUMMI

  • TeslaがNUMMIを買収する金額は4200万ドル=38億円。
  • これはお得な値段にみえる。
  • が購入したのはNUMMI工場の建物だけ。設備類は買ってない。
  • 設備類もオークションなどで買いたたける可能性はあるが、それらの設備が「S-Modelに続く新型車」生産に使えるかは不明。

Toyotaとの提携

  • Musk CEOはメディアに対して「Toyotaとの提携で様々な電気自動車を生産していく」と話しているが、S1には「Toyotaとの合意は全く取れていない」と明確に記述されている。
  • そのToyotaはTeslaに対して5000万ドル(45億円)を出資すると報道されているが、これはTesla株がIPOされた時に引き受ける金額。TeslaのIPOが実行されなければ、Toyotaの出資もない。
  • そして、そのToyotaの引受合意の有効期限は2010年12月31日。今年中にTeslaがIPOしないと、Toyota出資話はご破算となる。

IPO

  • そのIPOができないとどうなるか?
  • Teslaは連邦エネルギー省から4億6500万ドル(418億円)の融資を受けているが、これは工場建設のための資金。次期S-Modelなどの開発には流用できない。
  • つまり、Teslaは開発資金確保のために何がなんでも上場を果たす必要がある。
  • しかもToyotaからの出資を得るために今年中に、ね。

VentureBeatのコメント

  • 記事最後のまとめ文が手厳しい。

Tesla and Musk have a history of making announcements that sound sweeter than they really are upon closer inspection. Last July, when the company declared profitability — with a margin of just $1 million — a number of reports said the claim was all smoke and mirrors. And when Tesla first filed to go public at the end of January, it conveniently provided financial reports only through the end of 2009’s third quarter, omitting the fourth quarter’s dismal sales. That data has since been included, but there’s a trend here.

TeslaとMusk CEOは、物事をかなり甘めに発表する傾向がある。例えば去年の7月、同社は初めて黒字化したことを発表した。その額はわずか100万ドル(9000万円)というものだったが、この数字をマユツバで見る向きは多かった。実際、今年の1月にTeslaが提出した上場届出書(S1)には、2009年の第三四半期までの数字しか記載されておらず、売上が悲惨だった第四四半期の数字は掲載されていなかった。その第四四半期の数字は、今のS1には掲載されている。でも、こういう(良いことだけ強調する)傾向は今もつづいている。

Disclaimer(毒

私masayangはTesla Roadsterは速くてカッコいいし一台欲しいなぁと思うことは事実ですが、正直高くて買えません。でもいいんです。クルマは化石燃料を燃やしてナンボのもんです。石油がなくなってから「ああ、もっと使っておけば良かった」と後悔しないよう、みんながんがん燃費の悪いクルマに乗りましょう。

でもねー、「Teslaは現代のデロリアンだ」と看破した人がいるんですよ。お金のある人はRoadster買っといても損しないはず。