UC学費値上げと抗議行動
あちこちが財政難のカリフォルニア州。公立大学も例外ではない。
UC Considering Hiking Fees By 8%, Reducing Employee Pension Benefits
- カリフォルニア大学(UC)のMark Yudof学長は、「州の予算不足を理由に」学費8%の値上げを発表。
- 同時に【将来の】大学教職員の年金削減案も提示。
→「将来の」という部分に注意。既に引退した人達や、現在の教職員の年金支給は保証しようというのである。
実現されると、カリフォルニア州居住者の学費は年間$11,124から$12,150に値上がりする。学費値上げによりUCの収入は年間$1.8億増加するが、このうち$6400万は奨学支援に積まれるので、実質$1.16億ドルをUC運営に回せることになる。
だが...
UC教職員の年金基金は$210億足らないのであった。1兆7000億円くらい。この不足分をどうしようとしているか?
- 現在の教職員は、積立金を増やす。ただし、給付金が減ることはない。
- 2013年7月以降採用される教職員については、年金給付額が徐々に減らされる。最終的には20%削減へ。
- 同様に、2013年以降採用される教職員については退職最低年齢を現行の50歳から55歳に引き上げ。給付額が最大となる年齢も60から65に引き上げ。
→既に引退した教職員は完全に勝ち組。現行の教職員もなんだかんだいって文句はないだろう。特に引退が近い人達は月々の積立が多少増えたところでさほどの痛みはない。一方で、将来採用される教職員たちは不利な立場に置かれるわけだし、教わる内容に代わりはないのに学費だけ増やされる学生たちはたまったものではない。現在給付をうけている世代、これから給付を受ける世代も負担をするべきではなかろうか。
動画1 今回の学費値上げに抗議する各地UCキャンパスの学生たち
動画2 去年の学費値上げに抗議する学生たちと、鎮圧部隊