景気は当面底を打たない9の理由 by Nouriel Roubini

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  1. 米国を筆頭として各国の雇用はまだ急激に悪化しつつある。
  2. 今回の危機は流動性だけではなく、過剰負債も大きな原因だが、その過剰負債の処理はまだ序盤にさしかかってすらいない。
  3. 財政赤字諸国の消費者今後何年も消費を控えて貯蓄をしなければならない。過剰消費・過小貯蓄・借金依存の人達は、資産価値下落・収入減少・収入対負債比率上昇の三重苦にあえぐことになる。
  4. 政府の必死な救済にもかかわらず、金融システムは激しい傷を負ったままである。信用収縮の解消は容易ではない。
  5. 収益率の低下が続き、企業は生産・雇用・投資を控える。
  6. 政府部門の負債増加は実質金利の上昇を招き、民間部門の消費を抑えるだけでなく、財政が破綻する国もでてくるであろう。
  7. 国債発行による財政赤字補填は、短期的にはインフレ圧力ではなく、強烈なデフレ圧力につながる。ただし、中央銀行が明確な撤退戦略をたてなければ、やがては資産インフレや物価インフレにつながる可能性がある。
  8. 新興諸国の中には、IMFの支援にもかかわらず深刻な財政危機から脱出できない国がある。
  9. 世界的な経済不均衡の調整は進むが、中国などが内需主導で成長できる体質に転換できなければ、世界的な成長率は低迷したままになる。