ケース・シラー指標

masayang2010-08-31

住宅市場の動向を示す指数の一つ、ケースシラー。この計算方法はちゃんとした定義があるのだけど、それは果たして適切なのだろうか? ちょっと古いが今年の7月にこんな指摘をした人がいる。Are Bay Area Home Prices Really Up 18 Percent?(Bay Area Real Estate Trendsより)

  • 2009年5月のサンフランシスコ地区ケース・シラー指標は、前年同期比+18.3%。
  • 本当にそんなに上がってるの? とこの記事を書いたGreg Fielding氏(不動産販売エージェント)は疑問を投げかけている。
  • わかりやすい指摘箇所はこれ=サンフランシスコの物件価格帯別ケース・シラー指標を1年前と比較した表

    • 低価格帯...106.11→121.97(+14.9%)
    • 中価格帯...130.62→147.36(+12.8%)
    • 高価格帯...138.13→149.69(+8.37%)

→低価格帯が一番上昇率が高いが、それでも+14.%。単純に平均しても、全体の伸び率18.3%には及ばない。これはケース・シラー指標算出に当たって、「重み」をかけているから。特に「超高級」と「オンボロの小屋」の価格変化が全体指標算出に当たっては強調される傾向があるらしい。ケース・シラー指標が市場の状態を正しく表現できているとは限らないという証拠だろう。